登場キャラクター


ゲーム作品本編内で語られる設定を中心に記述する。

  1. 主人公と仲間たち
  2. ライフコッドの人物
  3. レイドック王国の人物
  4. そのほかの人物
  5. 大魔王とその手下
  6. そのほかの魔物

□主人公と仲間たち


前作同様、ステータス画面には肩書きが存在しており、進行によって現実世界でのキャラクターの姿が明らかになると肩書きも変化する。説明文中の《 》はそのキャラクターの肩書き(ゲーム中ではかな文字で表記される)。

以下の6人は、物語の中心となる存在で、シナリオ進行上必ずパーティーに加わるキャラクターである。

■主人公

ライフコッドでターニアという妹と暮らしている17歳の《村の少年》。村祭りで山の精霊からの啓示を受け、自分、そして世界の本当の姿を知る旅に出る。
現実世界での姿は《レイドック王子》。両親がムドーの術により眠りから覚めなくなった後、ハッサンやミレーユとともにムドー討伐に出かける。だが、ムドーの術により、心(意識)が本体から分離。意識だけを夢の世界に飛ばされた。後に現実のライフコッドにて本体と意識体が融合するが、ハッサンやミレーユよりも意識と本体の離れていた時間が長かったため、完全に本来の自分を取り戻すことはできなかった(小説版やCDシアター・4コママンガ劇場などでは、融合前の性格でほぼ統一されている)。かつて幼い頃に実の妹を病で亡くしている。

ルイーダの店に預けることはできない。HP・ちからがやや高めではあるが、ほかのステータスも低くはない万能タイプ。「ラミアスの剣」を始めとした伝説の武具を唯一装備可能なほか、主人公のみ勇者への転職条件が特別扱いになっている。また「デイン」系の呪文と特技に耐性を持つ。
『IX』では、服装が装備品として登場する。

■ハッサン

《旅の武闘家》。21歳。レイドック城の兵士に志願し、その後主人公とともに旅をする。

現実世界での姿はサンマリーノの《大工の息子》だが、大工仕事を嫌って家出し、憧れていた武闘家として名を上げようと、魔王ムドーと戦っているというレイドックにやって来て、城の中庭で主人公と出会う。その後主人公やミレーユとともにムドーに挑んだが、本体はムドーの術で石にされ、心(意識)が夢の世界へと飛んだ。後にムドーの城で本体と意識体が融合する。本人は大工仕事を嫌ってはいるが、父親に厳しく教え込まれているらしく、本人の意思に反してひとりでに体が動くほど大工仕事を得意としている。世界を救った後は原点へと立ち返り、一人前の大工を目指し修行を始める。DS版の会話コマンドで人情話に弱いことがわかる。

MPとすばやさが低いが、ちからとHPは主人公を上回る高さを持つ。特にHPの高さはトップクラスだが、かっこよさは低い。

DS版『IV』(ジャンプフェスタ2008ですれちがい大使として配信)、『IX』(東京ゲームショウ2009と2009年『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードII』の2大会で先行配信、一般配信日は未定)にゲストキャラクターとして登場。

■ミレーユ

夢占い師の老婆グランマーズのもとで働く22歳の《謎の女性》。サンマリーノで「幻の大地」に落ちて姿を失っていた主人公とハッサンに出会い、彼らを助けた後、仲間に加わる。《テリーの姉さん》であることが後に明かされる。

産みの親は既に亡く、弟のテリーとともにガンディーノの老夫婦に育てられていたが、かつてのガンディーノの悪政の中、ギンドロ組によって国王の奴隷として献上されたと言う経歴を持つ。だが美しすぎる奴隷は皇太后の嫉妬を買い、国王に引き合わされる前に暗い地下牢へと送られ、囚人同様の暮らしを強いられていた。同じく囚われの身であった旅芸人パノンの助力により脱獄に成功。その後各地を転々とし、ムドーに挑まんとする主人公たちと出逢った。ムドーの城へ潜入する際に金色のドラゴンを呼ぶオカリナを使用する。ムドー討伐の際、主人公やハッサンと同様にムドーの術にかかったが、1人だけムドー戦の記憶がある様な素振りを見せるなど、直接の描写こそないものの、主人公たちと再会する前に実体を取り戻していたことが伺える。

SFC版では混乱の呪文・特技に掛からないと言う特徴を持つ。「すれ違った男が振り返るほど」の美しさの通りかっこよさが非常に高く、MP・すばやさ・かしこさも高いが、レベルアップがやや遅く、HP・ちから・みのまもりが低い。また、装備できる盾が少ない。

ニンテンドーDS版発売記念として、同日1月28日から『IX』にwi-fiゲストキャラクターとして配信、服装が装備品として登場する。

■バーバラ

かつての主人公達と同じく自分の身体が透明になっていた《家出娘》。17歳。月鏡の塔で主人公たちに出会うことによって身体が見えるようになり、その後は主人公たちと共に旅をする。《カルベローナの娘》であることが後に判明する。

魔法都市カルベローナの民の少女で、大魔女バーバレラの血を引いている。現実のカルベローナが大魔王に滅ぼされたときに、ほかのカルベローナの住人と同じく魂だけの存在となった。さらに夢の世界のカルベローナが封印されたときバーバラの魔法力が反発し、記憶を失って別の場所へ魂が飛んだ。カルベローナが封印から解かれた後、長からマダンテの極意を受け継ぐ。現実世界にやってきた夢の世界の住人という点では体を取り戻す前の主人公たちと同じであるが、本体が既に滅ぼされているため、エンディングまで意識体のままである。

ムドーの島に入る際、パーティーから強制的に離脱するが、ムドーを倒した後はパーティーに復帰する。ルイーダの店に預けることはできない。MPとかしこさが高いが、HP・ちから・みのまもりが非常に低い。かっこよさはレベルが上がるとミレーユを上回り、パーティーのキャラクター中で最も高くなる。また、「メラ」「ギラ」「イオ」「ヒャド」系に若干の耐性を持つなど、呪文攻撃に強いのも特徴。

『IX』にWi-Fiゲストキャラクターとして2009年9月11日より配信、服装が装備品として登場する。また、DS版には『バトルロードII』用のバーバラのカードが同梱されている。

■チャモロ

癒しの力を持つ《ゲント族》の長老の孫。15歳。ムドー戦の前、ゲントの村で主人公と対面したときに神のお告げを聞き、そのまま主人公の一行に加わる。ムドー戦後もパーティーを抜けることはない。

MP・すばやさ・かしこさは男性キャラクターで一番高いが、ほかのステータスも低くはない万能タイプである。装備品が前衛・後衛としてもトップクラスの物が揃っている。スライム系の防具を装備できる。7人いる人間キャラクターの中で最もレベルアップが遅い。

■テリー

「青い閃光」の異名を持つ《さすらいの剣士》。17歳。ミレーユの弟であり、元はガンディーノの住人。幼い頃にミレーユが奴隷として連れて行かれたときに助けられなかった自分の弱さを呪い、世界一の剣を求め力こそ正義と信じる剣士となった。一人旅の最中に何度か主人公たちと出会うが、姉に気づくことはなかった。元々は姉を守るための手段として欲したはずの強さが目的と入れ替わり、強くなりたいという欲望からデュランのしもべとなり、主人公、ひいては守るはずの姉と対峙することになる。敗北し、自暴自棄になっていたところを姉に説得され、主人公の一行に加わる。このため、歴代シリーズのプレイヤーキャラクターの中でも仲間になるタイミングはかなり遅い。

仲間になった時点で「戦士」をマスター済みで、「バトルマスター」に就いている。本来は「バトルマスター」に就くには「戦士」のみならず「武闘家」もマスターしている必要があるが、テリーの場合、「武闘家」をマスターすることなしに「バトルマスター」になっている(DS版では「武道家」もマスターしている)。特技「遊び」の中に彼独自の必殺技「デュランから教わった遊び」(ジゴスパーク)があるが、発動率は低い。ちからとすばやさ、MPのバランスが良く、主人公以上に戦士系の重装備が可能。また、通常のキャラクターに比べて打撃系攻撃の回避率が高い。

外伝的作品である『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』は本作より前の時代の話で、少年時代のテリーが登場する(続編『マルタのふしぎな鍵』にも登場)。

SFC版では終盤に合流することから本来の強さがわかりにくかったため、DS版ではステータスが向上させ強くなった印象を与えたかったという趣旨の発言をファミ通のクリエイターズインタビューで明かしている。

■アモス

モンストルの町を守る《村の英雄》で、本作に登場する人間の仲間では最年長の30歳。気は優しくて力持ちな男戦士。かつて町を襲う魔物を退治したが、その戦いで魔物にお尻を噛まれ、夜になるとモンストラーという怪物に変身してしまう体になってしまった。夜な夜な怪物の姿で町を練り歩き、地響きを起こして住民たちを悩ませていた。主人公たちが入手した「りせいのタネ」を飲むことによって「変身」をコントロールできるようになり、彼らの仲間に加わる。ただしイベントの選択肢次第ではパーティーに加わらずに町を去り、二度と会えなくなる場合もある。グラフィックは町などにいる戦士と同一だが、DS版では専用のグラフィックが追加された。

HP・ちから・みのまもりが高く、MPとすばやさが低い打撃攻撃タイプ。成長はやや遅め。最初から、「ホイミ」の呪文と、「へんしん」の特技を覚えているが、レベルアップで覚える呪文・特技はない。

■ドランゴ

アークボルトでテリーに退治された《バトルレックス》(オノを持ったドラゴンの魔物)。死体を棺に納められ、アークボルト城の牢屋に置かれていたが、ある日突然棺の中から復活する。自分を打ち負かしたテリーに敬服し、彼を連れていくことで仲間に加わる。

初期のレベルアップが非常に遅く、すばやさが低いが、HP・ちからの成長率の高さが凄まじく、後半はレベルアップが早くなる。仲間になった時点で「ドラゴン」の職業に就いている。さらには、レベルアップで「まじんぎり」「メタルぎり」「ザオリク」などの呪文・特技を覚えるため、仲間になる時期の遅さを補って余りあるほどの強さを誇る。『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』にも同名のバトルレックスが登場し、それによれば性別は雌ということになっている(本作では仲間モンスターの性別の概念は存在しないが、イベント内容や台詞からは雌だと伺える描写はある)。

■ルーキー

スライム格闘場のオーナー・スラッジの《スライム》。スライム格闘場でチャンプに勝つと主人公のパーティーに加わる。レベルをある程度上げると、スラッジからある褒美を送られる。最初から、「スクルト」「ベホイミ」「メラミ」といった呪文を覚えており、初期レベルが20、最大MPもそこそこ上がるといった、仲間モンスターのスライムとは違う点がある。

■ファルシオン

夢の世界のレイドック西の森で暴れていた馬。主人公とハッサンに捕らえられた後に、彼らの馬車を引く馬となる。「ファルシオン」という名はハッサンの命名。

本体は空を翔る天馬・ペガサスであるが、デスタムーアの魔力によって本体を封印され、精神だけが夢の世界へ飛んだ。暴れていたのは野盗に襲われていた商人を助けるためであり、あの時暴れ馬が居なければ、野盗に命を奪われていたかも知れないと、その商人は後に語る。後に天馬の塔で本体と融合し、空を飛べるようになる。

□ライフコッドの人物


山奥の村ライフコッドに住む人物たち。

ターニア
ライフコッドに住む16歳の少女。両親を亡くしている。ムドーに敗れて倒れていた現実世界の主人公を偶然発見し、匿っていた。以前から兄が欲しいと思っていたため現実の主人公を自分の兄のように慕っている。現実世界の願望のためか、夢の世界では主人公と実の兄妹関係にあり、ライフコッドで一緒に暮らしていたことになっている。年に一度の村祭りで精霊の使い役を務める事となり、その儀式の最中に山の精霊に憑依され、主人公に旅立ちの啓示を下した。
ランド
ライフコッドに住む青年。現実世界でも夢の世界でもターニアに思いを寄せている。現実世界では主人公を快く思って居らず、邪魔者扱いしている。夢の世界では主人公がターニアの実兄である上に、精霊の冠を買いに行く役目を任されるなど頼れる兄貴的な存在である為か、彼との仲はそこそこ良い。一方で、ランドは仕事もせずに遊んでばかりで村の子供たちにもあまり好かれていないなど、立場が現実世界と逆になっている。後にバーテン見習いや観光ガイドなど、職を転々とする。
ジュディ
ライフコッドに住む少女で村長の娘。ランドの幼馴染でいつも彼のことを気にかけている。一方夢の世界での彼女はランドよりも主人公に対して好意を抱いており、話は結婚するかどうかまで進展していく。しかし、なかなか良い返事をしない主人公に業を煮やし、最終的には自ら彼を振る。

□レイドック王国の人物


主人公の本当の故郷であるレイドック城の人物たち。

レイドック国王
レイドックの国王で、主人公の父親。現実世界では髭を生やしている。ムドー討伐に出かけたが、その道中でムドーの術にかかり、精神が夢の世界のムドーとして仕立て上げられる。そのせいで夢の世界から帰って来られなくなり、現実世界では昼夜とも眠り続けることとなる。現実のムドーが倒れた後は、夢の世界でもレイドック王(以前のシェーラの夢の姿と同様の若い姿)となるが、そこでは気さくで女性好きな振る舞いをする。ムドーが倒れた後の夢の世界では主人公が実の息子であることを認識しており、また妻であるシェーラの視線を気にしている。
シェーラ
レイドック王妃で、主人公の母親。夢の世界でムドーとなった夫を助けるために自身の精神も夢の世界へ飛んだため、現実世界では眠り続けている。現実世界の住人であるが、長らく夢の世界で活動していたこともあって、夢の世界の概念についてある程度認知している様子。主人公が本来の自分自身と、その記憶を取り戻す前も、彼が自分の息子であると言う確信を持って接する。ムドーが倒された後は、夢の世界のレイドック城に貴婦人の姿で現れ、夫の振る舞いを監視している。
トム
現実世界でのレイドックの兵士長。自分の名前が気に入らず、子供の頃の兵隊ごっこで「ソルディ」と名乗っていた。偽王子事件の責をゲバンに追及され、辺境の地に飛ばされ消息を絶つ。フランコが後任となる。
ソルディ
夢の世界でのレイドックの兵士長。現実世界のトム兵士長の夢。ムドー討伐の任務中に行方不明となるが、後に牢獄の町で再会する。アクバーの手下として組織に潜り込み、敵の内情を探るとともに、囚われていた「大賢者マサール」と思われる人物を救い出そうとしていた。
フランコ
現実世界のレイドックの兵士。主人公が幼い頃から城に仕えていたらしく、ゲバンを快く思っていなかった。ゲバンに異を唱え、任を解かれ城を追われるが、後に呼び戻され兵士長となる。
ゲバン
現実世界のレイドックの大臣。レイドック王夫妻が眠りに落ちていることをいいことに専制政治を行う。ムドー討伐のための兵力増強を謳い、その実自らの私腹を肥やさんと金貨50枚という莫大な税金を掛けるなどの圧政を敷き、国民には嫌われていた。自分を取り戻す前の主人公が王子と偽って城に侵入した際にそれを見破り、主人公を城から追い出す。王夫妻が目覚めた後は追い出されたらしく、城にはいない。夢の世界ではレイドックに来た世界一の富豪であるが、足元を見る性格は変わらず。後に現実世界からやってきた国王によってレイドック城の地下牢に投獄される。本人は現実世界での記憶が無いため納得しておらず、見張りの兵士も首をかしげている。

□そのほかの人物


ストーリーが真相に迫るにあたり、重要な役割を果たす人物である。

グランマーズ
サンマリーノの南に住む夢占い師の老婆。「グラン」が称号で「マーズ」が名前である。現実世界の住人だが、夢の世界の人間の姿を見ることができる。ムドーに敗れて精神体となっていたミレーユを助けたらしい。主人公が自分を取り戻し、レイドック城で一晩過ごした際も城に呼ばれ、完全に元の自分に戻りきれない主人公へ助言を与える。公式のイラストの容貌は、『ドラゴンボール』の「うらないババ」とほぼ同じである。
ブボール
カルベローナの長老。伝説の魔法「マダンテ」の継承者。時の砂の結界によって外界から隔絶された小部屋に住まい、時間はおろか、大魔王の魔力からも守られていた。バーバラにマダンテを継承した際、結界が解かれたことで大魔王に狙われ命を落とす。
カルベ夫妻
カルベローナに住む老夫婦。バーバラの育ての親で、「魔法の絨毯」を始めに、不思議な力を持つアイテムを作っていた。子供の頃のバーバラに、羽根の生えた服を作ってやった事も。永い間眠りに就いていたが、マダンテ継承の儀をきっかけに目覚める。
ルビス
ムドーの島近くの海底の城に住む精霊。様々な場所で主人公達の手助けをする、影なる功労者。時に山の精霊としてターニアに憑依し、仮の姿である主人公に旅立ちを促し、時に神のお告げをチャモロに下し、時に巨人の門番兄弟の心を溶かす。デスタムーアの妖術の標的にならないよう、影ながら主人公達に加護を与えていたと言う事が、牢獄の町の学者によって明らかになる。『ドラゴンクエストII』や『III』に登場する精霊ルビスとの関連は不明。
ゼニス
夢の世界を束ねる王。クラウド城の主。異世界への扉の鍵を握っている。
マサール、クリムト
旅の扉を生み出す力を持つ大賢者兄弟。マサールが兄、クリムトが弟。その力を欲し、かつ恐れたデスタムーアによってはざまの世界に囚われている。

□大魔王とその手下

最終ボスである大魔王、および大魔王の手下であることが作中で示されている魔物たち。

ムドー
現実の世界を支配しようとするほか、ダーマの神殿の封印を司る。オープニングにて主人公、ハッサン、ミレーユを破り、彼らを夢世界と現実世界に分離、記憶を奪い追放する。ほかの魔王と違い、世界中の人々にその名を知られており、戦闘の際には専用BGM「敢然と立ち向かう」が流れるなど、物語序盤において最終ボスのような扱いとなっているが、実際には大魔王の手下である四大魔王の一人に過ぎない。主人公たちと戦う際2連戦となるが、変身などはせず能力のみパワーアップする。なお、夢の世界の地底魔城にもムドーが潜むが、その正体はムドーの術によって夢の世界に引きずり込まれた、現実世界のレイドック王の心(意識)である。
『IX』にも隠しボスとして登場するが、戦闘BGMは通常ボスのBGM「魔物出現」が流れる。
ジャミラス
四大魔王の一人。怪鳥の姿をしており、メダル王の城の封印を司る。ムドーに代わって人間を支配するべく、夢の世界において「しあわせの国」の話で人心を集めていた。唯一夢の世界に巣食う魔王であり(夢の世界のムドーは本物ではない)、雄弁家でカリスマ性を持つ。
グラコス
四大魔王の一人。海底神殿に住む半魚人のような姿をした海の魔王で、魔法都市カルベローナの封印を司る。神殿が海底にあるためか訪れる者は少ないらしく、初対面時は寝ている。本人によると悪い癖で喋りすぎてしまうらしく、主人公たちに起こされたときにはカルベローナの情報を喋った後で口封じのために戦いを挑む。倒すと「グラコスのやり」が手に入る。同名のモンスターが『ドラゴンクエストVII』にも登場する。『IX』では武器として「グラコスのやり」のみが登場している。
デュラン
四大魔王の一人。手下の魔王の中では最も人間に近い姿をしており、地上世界の魔王では最強を誇る。クラウド城の封印を司り、封印した城を自らの乗り物にして自在に操る。伝説の武具を集めてヘルクラウド城に乗り込んできた主人公たちを見て「血が騒ぐ」と嬉しがるほど、自分の強さには自信を持っている。しかし、強きを尊び、自分より強い者は敵であっても認める武人のような人格の持ち主でもある。敗れた際も恨み言や負け惜しみなどは一切言わず、デスタムーアの存在を主人公たちに教えた上で「さらに強くなれ」と助言を残す。主人公たちとデュランとの戦いでは、まずキラーマジンガとランドアーマー、次にテリーを主人公たちと戦わせて主人公たちの強さを窺い、その後主人公一行を全回復させてデュラン本人が戦う。
アクバー
デスタムーアの右腕的存在で、牢獄の町の主。シスターアンナに魔物の魂を植えつけ、自身の妻にしようと企む。デュランとは異なり、気に入らない部下を躊躇うことなく処刑するなど、残忍な性格。大賢者兄弟の一人、クリムト(周囲にはマサールと思われていた)を幽閉している。用心棒としてガーディアンという魔物を2体引き連れている。最後に倒すと、必ず絹のタキシードを落とす。
ゾゾゲル、ドグマ
ゾゾゲルは牢獄の町の兵士長で、ドグマは魔法使い。2人ともアクバーの部下で多くの囚人を処刑してきた。戦闘時はドグマが特定のターンで使う「ドグマのにらみ」によって全員が必ず麻痺状態に陥り全滅することになり、いわば事実上の負け戦闘となる(データ上はドグマを倒すことは可能だが、数値を極限まで上げる必要があり、たとえ倒してもイベント上は負けたものとみなされて物語が進む)。ドグマとは一度しか対戦ができない。2人とも革命の時には酒を大量に飲まされて眠らされるも、ゾゾゲルに対しては眠っているときに話しかけると再戦を挑むことができる。倒さなくてもクリアは可能。
魔王の使い
デスタムーアの部下。主人公(の本体)を葬るべく、魔物を引き連れて現実のライフコッドを襲う。イベント内で戦うタイミング及び条件によって、桁外れに強くなったり弱くなったりする。外見では骨は見えていないが骸骨戦士族の魔物で、4本の腕に剣や斧などの武器を持っている。
ズイカク、ショウカク
デスタムーアの部下の2人組。どこか間の抜けた言動が目立つ。ショウカクは、戦闘中に1ターン行動不能になることも。嘆きの牢獄に捕らえられたマサールの精神に入り込み、弟のクリムトが処刑される映像を見せ続けることでデスタムーアへの忠誠を誓わせようとする。::デスタムーアはざまの世界に住まう大魔王。本編の最終ボス。世界を我が物にしようと企み、現実世界のダーマ神殿など、障害となり得る場所を攻め落とした。しかし、それが夢の世界に存続していることを知り、夢の世界を実体化させ、これを封印。ムドーを始めとする四大魔王を封印の要とし、同時に支配することを考える。はざまの世界に引きずり込まれた人々の悲しみと絶望を糧にし、欲望に呑まれ堕落していく様を見て愉しむ。それにも負けぬ強く清い心を持つ人間は牢獄の町に送られる。後に牢獄の町にてクーデターが起こるものの、凄まじい魔力で一瞬の内に反乱軍を石や動物に変える。
3つの姿を持つ。初期形態は老人の姿で(自ら「じじいの姿」と言う)、2つの玉を操るなどのさまざまな術・全体攻撃を使う。第2形態は全身にトゲを生やした筋骨逞しい獣の姿で、「バイキルト」などの強化魔法を駆使して戦う。また、大防御しつつ攻撃するなど、複数回攻撃可能なボスの特権を最大限に活かして攻める。最終形態は本体(顔)・右手・左手に分かれてそれぞれが独立した生物のように動き、「ザオリク」で完全復活を計るなど両手とのコンビネーションを活かした行動を取る。
なおパッケージイラストの主人公らの背景に初期形態が描かれている。ラストボスがパッケージイラストに登場するのは『ドラゴンクエストII』以来である。
『月刊コロコロコミック』(小学館)2009年6月号の『バトえん』のページに、モザイクがかかっていない状態で掲載されていた。また、関連商品のソフビ人形として、他作品の最終ボス共々、堂々とその姿を現している。
アーケードゲーム『バトルロードII』での大魔王戦では、第2形態の姿で出現する。最終形態はデスタムーアとムドーの「とどめの一撃」のときのみ登場し、本編では使用しない「イオグランデ」を唱える。また、同作では『幻魔王デスタムーア』の異名が与えられている。
『IX』でも最終形態の姿で、隠しボスとして登場。ただし、討伐モンスターリストに登録されるのは本体のみであり、右手と左手は登録されない。

□そのほかの魔物

大魔王デスタムーアと無関係であるか、その手下であることが作中で示されていない魔物。

ミラルゴ
魔術師の塔に住む邪悪な魔術師。1000年前の人間であり現実世界では既に死んでいるが、魂は夢の世界で生き続けている。イリカに一方的な恋をするも自分のルックスに自信が持てず、ついに真っ当に告白することなく、当時のフォーン城を滅ぼした上でイリカを攫って鏡の中に封印。以後1000年もの間、自分の愛を受け入れるか、鏡の中のイリカに問い続けていた。
嘆きの巨人
牢獄の町で門番をしている双子の巨人兄弟。特に兄は誰にも負けたことがなく、多くの勇士を葬り去っていた。実は大魔王によって滅ぼされた巨人族の生き残りであり、大魔王に仕えるフリをしながら真の勇者たる人物を待っていた。大革命の際には、兄が住民によって眠らされる。最終的には大魔王の呪いによって兄弟揃って石化させられる。
ダークドレアム
自らを召喚したグレイス王の城を滅ぼした、「破壊と殺戮の神」の異名を持つ伝説の悪魔。空気中を漂う魔物の魂を喰らい、魔王すらその糧とすると伝えられている。人々の見た悪夢 (DarkDream) が形となった存在。たとえ何者であってもダークドレアムを滅ぼすことはできない。クリア後に行くことのできる隠しダンジョンでボスとして登場し、全てを無に帰すべく主人公たちに戦いを挑む。彼は「誰の命令も受けない」と言っているが、(本気の状態ではないとは言え)自分と渡り合えるだけの強者には敬意を払うようで、ある条件を満たすと主人公たちの協力者となる(前作『V』での「隠しボスを特定の条件を満たして倒すと仲間モンスターになる」という都市伝説を堀井自身が面白がり、本作で実装された。)。自身は魔王ではないが、その圧倒的な強さはデスタムーアを遥かに凌駕する。
後に『IX』に隠しボスとして再登場した。ただし、戦闘BGMはデスタムーア戦と同じ「魔王との対決」に変更されている。また、手にした柄の両側に刃を持つ剣や鎧に模様が描かれ、立ち姿のポーズが変更される、同作品のゾーマ(『III』の魔王)と同様に手の形が4本指から5本指になったなど、デザインに関して若干のアレンジがなされた。

ドラゴンクエストVI 幻の大地:::Wikipediaより引用)


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